ゼロからはじめるサーキットベンディング 第三弾 SK-1とSpeak&Spell

世界中のベンダー達の作品を見ていると
ベンダーたちがこぞって改造しているものがあることに気付く。
世界一売れたサンプリングキーボードとしても有名なCASIO SK-1、
(またはSKシリーズを含むカシオトーン)
クラフトワークや電気グルーヴも使った、
米Texas Instruments Speak&Spellは
(Speak&ReadやSpeak&Mathを含むTI社の教育玩具)
サーキットベンディングの創始者、リード・ガザラ御大が
改造法とともにベンディングで音が激変するそれらの存在を広めたため、
名うてのベンダーなら誰もが持っている
ベンディング・シーンでは超メジャーなガジェット。
ベンディングポイントを外部に出してパッチ・シンセみたいにしたり、
ATARI規格のジョイスティックが繋がるようにしてみたりと
ベンディングのバリエーションも様々。
また、本人がベンダーでもあるこのサイトではMIDI化キットも購入可能。
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これはSK-1の兄弟のCASIO SK-8。
ぱっと見は分かんないけど、MIDI化キット内蔵。
とはいえ、見つけるのは容易ではない。
Yahoo!オークションでもたまに出品されたと思えば
元は玩具とは思えない、高値で落札されてるし。
(でも、一万円もあれば買える程度だけど)
安く欲しい人は、SK-1は町のリサイクルショップで値切って買ったり、
(意外と置いてあったりします。しかも箱・説付きとか)
Speak&SpellはeBayとか海外のフリマで買いましょう。

ゼロからはじめるサーキットベンディング 第二弾 とりあえず楽器を見てみよう

ガムテープを貼った定規をコスる、妙にニヤケ面の小太りや
マイクを食ってる人が出て来たこの間の動画を見ただけでは
ベンディングについてはまったく分からないので
まずはサーキットベンダー(ベンダー)たちの力作を見てみよう。
サーキットベンディングはインターネットが主なシーン。
中でも、米Yahoo! Groupsのbendersというカテゴリー(閲覧には要登録)は
世界中から腕に覚えのあるベンダー達が集まる研鑽の場。
改造された楽器・玩具の写真や
それらの改造法の説明なんかも載っている。
またはGoogleでcircuitbendingとかcircuitbendとか、
サーキットベンディングとかで検索すれば、
日本を含む世界中のベンダーの作品を見ることができる。
中には音声や動画が見られるところもあるよ。

ゼロからはじめるサーキットベンディング 第一弾 ベンディングっておもしろい

Sound & Recording Magazine 1997年8月号

ヤ:純粋に子供が音を出して楽しむだけのもの。
でも音を出すこと自体快感じゃないですか。
楽器みたいに熟練とかまったく必要なくて
持った瞬間に弾けるのがオモロイ。
そんなプリミティブなものってパワーがあるんですよ。
音も安いけどいい音。”ビヨヨヨヨ~ン”って漫画的な擬音に
子供が反応して喜ぶように俺も完全な子供になってまう。
それとオモチャの楽器って、
壊れる寸前の音ってすごくいい音しますよね。
電池切れの時とか”俺死にかけなんだ”って訴えてる(笑)。
子供が電池切れそうな変な音でオモチャ鳴らしてるのを見たら
東洋哲学感じますよ。
(中略)
インタビュワー:オモチャを使うことに意味があるんじゃなくて
楽しいからやっているだけですか?
ヤ:そう、子供と一緒。ポイントは音が出るってことは人間にとって
死ぬほど楽しくてうれしいことなんです。
能動によって音が出るってことがね。
例えば手を上げたときに音が出るとか、
立ち上がったときに音が出るとか。
それは根源的にシャーマニズムに繋がるものなんですよ。
(以上ヤマタカEY∃氏へのインタビュー、Sound & Recording Magazine 1997.8月号 特集:オンガクする電子玩具より)

上の文章は音の探求者として、Boredomsほか多数のユニット、ソロ、
DJで世界中にその名と音を轟かすヤマタカEY∃氏が
おもちゃ楽器について語ったものだが、
これはサーキットベンディングの本質をもついていると思う。
IQの高さが鼻につくMax/MSPのパッチや
金さえあれば買える使い古しの音のビンテージ・シンセとは違い、
電子工学の壁から解放された思いもよらない音を、
安価に、自分の好みで演奏できる、
サーキットベンディングによる改造楽器は
いい年した大人が童心へ帰るためのタイムマシン。
リトルグルメやミニ四駆のボディの肉抜き、
最強バーコード集めに命をかけていた頃を思い出せ!!
金や技術の壁にとらわれないそのDIY精神は
21世紀のパンクとなりえるだろうか?